JUNE
 
 

 
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2000
 

 
 文房具・個人情報サイト「ステーショナリープログラム」
 ステーショナリープログラムではデザイン・機能の優れた文房具をテーマにしています。
 


 
■ カスタマイズ
 
筆記具では書き味やインクの色などの微妙な違いが使い手の快適感に大きな影響を
与えます。お気に入りの筆記具をさらに自分好みのタッチにしたい、そんな思いを
どこまで実現できるのか、ちょっと考えてみました。
 
まずはシャープペンシル。
これはなにより芯の硬度でタッチの調整が可能ですね。芯の銘柄の違いでも感じが
変わります。私はそのときの湿度によって芯硬度を変える時があります。雨の日等
湿度の高い日は芯の乗りが悪いので柔らかめ(=濃いめ)の芯にします。
また、製図用シャープペンシルでは同じデザインで芯の太さのバリエーションが有
るので、気分や場面で本体そのものを使い分けることが可能。これもカスタマイズ
のひとつかもしれません。
 
次は万年筆。
ペン先のタッチを直接変える方法として、某有名店にて精密な紙ヤスリを使う方法
を教えていただいたことがありますが、私も含め、これはかなりリスキー。あまり
おすすめできません。できることはインクを変えることでしょうか。タッチはとも
かく、書き上げた時の印象は大きく変わることでしょう。
ひごろ黒インクを使っているかたが青インクに変えると、その印象の変化に驚かれ
ると思います。また青インクにも銘柄によってその色味に多くの種類があり、奥深
さはかなりのもの。
カートリッジタイプのインクを装着する万年筆でも、スポイト式にインクを吸い込
む、汎用インクカートリッジがメーカーから別売りで用意されていますので、これ
を用いればお好みのインクを使うことが可能になります。
 
そしてボールペン。
私はラミー4色ボールペン「LAMY2000」の緑色をうまく使いこなせないのでは
と思い、さきほどの某店のかたに相談しました。そこでいただいたアドバイスとは
ラミーの多色ペンのペン先はロットリングの多色ペンの一部ペン先とサイズが一緒
ということ。
例えばロットリングの太字蛍光ボールペンをラミー2000の緑色と換装すれば活用
の幅が広がるとのことです。
私は、なるほど!と思い、そのほかの「組み合わせ」をいろいろ考えてみました。
そして、こんどはロットリングにあるスタイラス(ペン入力コンピューターに使う
樹脂製のとがったもの。写真のオレンジ色)をラミー2000に装着してみました。
30年以上前にデザインされた筆記具と最新「ペン先」との組み合わせは感動的。
換装時のトラブルは当然メーカーの保証外となり、あくまでユーザーの責任のもと
でおこなわれるべきものでありますが、繊細な手先・指先が求めるカスタマイズと
してお伝えしておきたいと思います。
 
 blue ink/highwriter/stylus nib Rotring Germany
 
3種の筆記具、以上述べたのはユーザー側の工夫によるカスタマイズでした。
いっぽう、メーカー側が筆記具に何らかの調整幅を事前に与えておくアイディアは
いかがでしょうか?
 
シャープペンにはふたつあります。ファーバーカステル社の「TK FINE バリオ L」
では芯のクッション硬さを調節可能。ステッドラーのシャープペンにはノック
を1回押した時の芯繰り出し量を好みにセットできるものがあります。
 
万年筆やボールペンにもなにか組み合わせや調整の幅ができたら楽しいでしょうね。
 


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