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2000
 

 
 文房具・個人情報サイト「ステーショナリープログラム」
 ステーショナリープログラムではデザイン・機能の優れた文房具をテーマにしています。
 


■ WILL "COSMiC FiZZ"
 
すでにおなじみ、異業種企業間プロジェクトである「WILL」ブランド。
コクヨからは写真のボールペン、他にはノートカバーなどが登場しました。
 
 
 Roller Ball [WILL "COSMiC FiZZ"] KOKUYO / JAPAN
 
繊細かつ美しく仕上げられたアルミボディ。
アクリル製の透明なキャップ。
細身の軸。
化粧品の小物を連想させる外観です。
¥200.
 
ゲルインクを使ったボールペン。
写真のモデルは、細身のボディとは反対に太めのペン先が装着されています。
この太字の影響もあって書き味は極めてなめらかです。
 
写真下は分解した様子です。
 
 
本製品は大型のインクタンクを持ったリフィール部、アルミ製の軸本体、リフィール
を軸本体にネジどめ固定させるためのエンドキャップの3つから構成されています。
 
 
使い込んでゆくうちに、この製品をタダモノではないぞと思うようになってきました。
それは、このシンプルな3つのパーツが大きなメリットを生んでいるからです。
オシャレなアルミ軸は、じつは筆記時のしっかり感を獲得しております。リフィール
部も直径が大きく、エンドキャップで固定されており、ペン先のガタツキが少ないの
で、筆記具としての大切な要素を守っています。
 
つまり、WILLという「表向きの」新しいブランドだけではなく、本体の作りも、この
価格帯の筆記具のジャンルにおいて新しいことにトライしていると読み取りました、
もっとわかりやすく言うならばコクヨはWILLを通して、スタイルの良い筆記具を、筆
記感覚を高度に満足させつつ、低価格で実現したわけです。
この製品の発売によってコクヨや業界が得たものは小さくないと思いました。
 
 
なぜ1本の筆記具をこのような表現で説明したかと申しますと、私はWILL製品群の中
で、ついついあのクルマのほうと比較してしまうからなのです。
トヨタはWILLブランドに対して、なんと専用設計の4輪自動車を出してきたわけです
が、私はそのクルマを見れば見るほど、批判的な気持ちになってしまうのです。
(あくまで個人の意見として読んでください。)
 
「クルマWILL」は巨大なトヨタのパワーを投入して開発されました。そこには大胆な
スタイルと楽しい雰囲気が表現されているものの、機能的な見どころは少なく、むしろ
使い勝手の面ではユーザーに多少のデメリットありと感じました。あのクルマの登場
によって皆が得たものは「遊び心」でありますが、あくまで結果はファン・カー量産
化へのトライアルで、商品価格の割に業界が得たものはそれほど多くはないでしょう。
(クルマを批判しているわけではありません。あのリアスタイルは私も好きですから)
 
WILLの機会を通じて何を得たか、業界に影響を与えたか、今後につながっていくかを
考えるとき、この筆記具の登場は大きいような気がするのです。おおげさでしょうか?
 
参考サイト:(リンク許可は得ていないのでURLのみご紹介)
http://www.willshop.com/
 


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