2003年10月26日
■ きょうの2冊

約17年前、1986年にこんなタイトルの本が出ていました。

わたしは、いままでこの本の存在を知りませんでした。
文房具の館 の andrew さんに教えていただきました。

「文房具・知識と使いこなし」 市浦 潤
新潮文庫 (ん10 17) ISBN4-10-148001-X C0158

本書は国内外の機能的な文房具を幅広く、豊富な写真入りで紹介しています。
とくに当時はまだ日本であまり知られてなかったと思われる海外の製品が
多く登場し、著者の海外での勤務経験をもとに米国での文房具の合理的な
使いこなしやファイリングのノウハウを詳細に解説しています。

この本を読んでうれしくも、かなりショックでした。
なぜならば、私がこのサイトでやっていること・やろうとしていることを、
市浦さんはずっと以前にすべて実践していたのですから。まるでお釈迦様の掌状態。
それもそのはず、市浦さんは都内の○○○の、オープン当初のあのマニアックな
文房具売り場をコンサルティングしていたかたなのでした。
ちなみに文房具の「使いこなし」という言葉もすでにお使いだったのですね。
そして先日、私は市浦さんとお会いすることができました。
いずれ楽しいお話をここでご紹介できるのではと思います。

この本はタイトルで検索し、古本道楽堂さんで購入しました。
古本道楽堂さんは映画のパンフレットの専門オンラインショップです。

2冊目は「プロダクトデザインの思想」 PDの思想委員会
株式会社ラトルズ ISBN4-89977-056-1 \2,000.

プロダクトデザイナーが出版社の企画を介在させずに出版したという本。
過去から現在までの数多くの製品を取り上げ、その製品のデザインに
ついてデザイナーの職のかたがたが評価あるいは解説を行う。
この1冊だけで大変な人数のデザイナーの声をダイレクトに受け取れ
しかもいままで気になっていたがその開発過程や見どころを知るすべの
なかった製品についての貴重な情報を入手可能。プロダクトデザインの
近況を文字情報によって俯瞰できるすぐれた1冊と思います。

9月に出たばかりの本で、私もまだ読み終わっていませんが、内容は興味深く
いちはやくその存在をお知らせしたいと思いました。
多くの方々が執筆に参加され、これだけ厚みのある解説が1冊の本の中に存在する
という事実に、これからの日本の製品デザインに大きな希望を持つことができます。