和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

Mo-Fi 使って3週間

Blue Microphones 初のヘッドフォン「Mo-Fi」。 入手して3週間が経過しました。

(これまでのエントリー) ・第1回:「Blue Microphones Mo-Fiがやってきました
・第2回:「Mo-Fi。さて音質はどうか?

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Mo-Fiが主にスタジオモニター用途の製品であることを承知の上で、最新の評価を記します。

1.音
高音がちゃんと出ていながら、その高音を強調しないフラットな音質はそのまま。3週間経って、こころなしか音がこなれてきた感じがあります。女性ボーカルの曲が良いと褒めましたが、男性ボーカルものも良し。高橋幸宏の「サラヴァ!」など、Mo-Fiになって楽しさが「発掘」されたCDがいっぱい出てきました。そして耳覆い式のイヤーパッドながら、ドライバー(=スピーカー)の音がダイレクトに耳に伝わる感じはMo-Fiの美点です(直径50mmドライバーの恩恵?)。パワースイッチを3段目に回した「低音補強モード」は低音の付加具合が控えめで好感が持てるもの。小音量時のラウドネスモードとして、あるいは古い録音のアルバムで「あと少しベースを強めたい」時に具合の良いものです。

2.密閉式、ではない
密閉式ヘッドフォンの典型のような外観ながら、周囲からの音をあまり遮音していなかったという前回エントリーでの衝撃の事実。いわゆる「半開放型」でした。周囲の環境音はけっこう筒抜けです。電車内で人の声がうるさいからとMo-Fiを装着して音楽を聴いても、それらの声を「ごまかす」ことはできません。反対に、電車内での快適なリスニング音量において、Mo-Fiからの音楽漏れで周囲に迷惑を掛けるようなことは無いと思います。

3.装着感良し
Mo-Fi一番の特徴である、特殊なリンク機構によるヘッドバンドの装着感はとても良いものです。おかげで音楽に集中ができます。絶対的な重量は他のヘッドフォンよりも大きめで、首の弱いかた、心配症なかたは必ず実機を装着して試されることをおすすめします。

4.首掛けが楽
Mo-Fiはイヤーパッドが巨大です。しかしドライバー部を支持するアームが大きく大きく開くため、首に掛けてもイヤーカップがアゴに当たらず、快適です。(たいがいの大型ヘッドフォンはこうはゆきません。)これは本当に大きなメリット。屋外でのMo-Fi非使用時も首に掛けたままずっと移動できます。

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5.ノイズ混入
電車に乗っていますとやはり、周囲の何か(付近のスマートフォンと推測)からの影響で、音楽にノイズが混入することがあります。症状の発生頻度は、比較的混んだ電車に30分ほど乗車して0回~2回ほど。じつは私のMo-Fiは初期不良で2度の新品交換を経ており、2015年3月現在で3つめの個体です。それら3台のいずれもノイズについては同じ結果だったので、私の個体はMo-Fiの回路に設計的な問題があると考えています。この点、2015年夏に発売開始された日本代理店経由でのモデルは改善されているのか気になるところです。

6.操作感など
ヘッドバンドのリンクの開閉操作感や、アームを回転させる際の抵抗感などは完璧な調整がされており、本品の品質感を多いに高めています。それに対し、パワースイッチを回転させる際のタッチが安っぽい感じ(いわゆる「プラスティッキー」というやつ)なのは残念。ヘッドホンケーブルの作り(からまない。品質感の良さ)は上々。ヘッドホンケーブルに備わったリモコンスイッチ(iPhone対応)は指先だけではボタンの判別がつかず、誤操作ばかりしています。

主に音質的な理由と個性的なスタイルから、私の総合評価が☆4つ(=満足)であることに変わりはございません。・・・帰宅後にUSB充電する装置がひとつ増えたのは少々面倒かな。

→ 「Mo-Fi」、 日本でも発売開始へ。