SEP
 
 

 
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1999
 

 
 ステーショナリープログラムではデザイン・機能の優れた文房具をテーマにしています。
 


■ ロットリング「ゾノックス・グラフィック」
 
ロットリング・ブランドの新製品 [ XONOX Graphic ] を入手しました。
 
本製品はファイバーチップのペン先を装備した水性ペンです。
いわゆる極細のサインペンだと理解してください。
 
低価格ながら真剣にデザインされた全体のシェイプ。
筆記時の、手へのフィット感が大変優れています。
XONOXのロゴを見ると、つい入れ込んでしまいます。と言いますのも2年半前、当サイトを
立ち上げる思いに至ったきっかけのひとつが、このXONOXのペンだったからです。
(ちなみにもうひとつはLAMYのボールペンです。)
 
XONOXは製図ペンで有名なサンフォード・ロットリングが数年前に発表した一般向け筆記具
のブランドです。いままでこのXONOXブランドでは
・[ XONOX Rollerball EF ] (細字水性ボールペン。¥200)
・[ XONOX Rollerpoint EF](極細水性ボールペン。¥200)
・[ XONOX Highlighter ] (蛍光マーカー。¥150)
・[ XONOX Fineliner EF] (ファイバーチップペン¥150)
の計4種類がラインアップされています。
 
上記をごらんの通り、ファイバーチップペンとしては既に1本¥150の[XONOX Fineliner EF]が
登場しているわけで、同種のペン先ながら、価格が¥200アップして¥350となっている今回
の[ XONOX Graphic ]がいったいどのようなものなのか、これらふたつの製品の差を確認しなが
らご紹介してみたいと思います。
 
 [ XONOX Graphic ] SANFORD ROTRING
 
[ XONOX Graphic ]の最大の特徴はペン先線幅の充実したラインアップにあります。
その数7種類。これが「グラフィック」の名前のゆえんでしょうか。
(線幅=[0.1 / 0.2 / 0.3 / 0.4 / 0.5 / 0.7 / 0.8 ] (mm))
 
[ XONOX Fineliner EF]のペン先は筆記して比較した結果、0.3mm相当と思われます。
 
次の特徴は顔料インクの採用です。
水性ペンではインクの耐水性、耐光性が重要なスペックなので、うれしい改良です。
 
ペン先の作りも微妙に違います。(写真)
上が [XONOX Graphic]、下が [Fineliner EF ]。
 
ペン先の全長は短くなっていますが、一方で、金属パイプ部分の長さは長くなっています。
また、金属パーツのボリュームが多くなっております。
定規類へのフィッティングの向上とペン先剛性の確保を果たしているのかもしれません。
 
そのほかクリップが樹脂から金属パーツに変更、キャップ先端にはペン先線幅表示が追加
されました。軸全体の色は従来のグレーから、ロットリング製図ペンのテーマ・カラーで
あるダーク・ブラウンに。少し高級な雰囲気。
美しいシェイプと、グリップに装着された鮮やかな赤帯は従来通りです。
 
 
以上を見ますと、ペン先,インク,一部の材料について、そのスペックが向上しているよう
ですが、これだけで¥200の差を説明することはできません。これにはやはり線幅を充実
させた事による数量効果の違いも影響しているのでしょう。
 
しかしこの豊富な線幅により、その人ごとに最適なペン先を選べることになったので私と
しては歓迎です。
 


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