2003年4月17日
■ ステープラー 3話

もともとコレクションする習慣がない私ですが、自然と増えているものがあります。
それはステープラーです。

ステープラーに私が求めるポイント、
ひとつは質実剛健、いざというときに確実に応えてくれること、
もうひとつは机の上に置きたくなるようなスタイルの良いもの。
でも、これらふたつを両立した製品が今後出ることはたぶん無いと思います。

それで、前者を備えたもの・後者を満足するもの、それぞれひとつずつ
手元にあれば、とりあえず私は満足!という気持ちです。
多くの文房具ファンの皆さんもおおむね同じ考えなのでは?と思っています。

コアなステーショナリープログラム読者様はご存知?
いまは消去してしまった1997年の記事でご紹介した
Swingline(U.S.A.)のステープラーです。

私の「質実剛健要求」にながく応えてくれた製品。
その昔、近所の輸入雑貨店ですでにサビた見切り品を
三百円ほどで手に入れたもの。

No.10針なのにかなりの用紙枚数にも難なく対応。
相当古いものらしく、どこを探してももう見つかりません。

長いあいだ私の質実剛健要求にずっと応えてくれたのが写真のSwinglineでした。
分厚い金属パーツとクロームメッキが頼もしいステープラーですが、内側のサビが増え
そろそろ引退させてあげたい。でもなかなかコレに代わるものが見つからないでおりました。

最近ひさしぶりに「文房具さんらしい文房具屋さん」に出向き、ステープラーのコーナーを
見ていますと、お試し用として20枚近い紙片を重ねた、使いかけのPost-itみたいな束が
ごそごそ詰まれています。「この束を、このステープラーで綴じてみなさい」という意味です。
(もし紙束が無かったら気づかずに素通りしていたと思います。)

そのステープラーがこれ。

マックス株式会社(日本)
「パワーフラット」(HD-10DFL)

取り扱い説明書によりますと
「業界初!! とじ枚数30%アップ、にぎる力30%軽く」
No.10針でPPC用紙26枚を綴じられるというのです。

店頭で実際にサンプルの紙束をカシャリ、、
「うそっ?!」
軽い、拍子抜けするほど軽いタッチ、しかもしっかり
フラットクリンチ機構になっている。それはもう驚き。

サンプルの厚い紙束を、数枚程度の紙をこなすがごとく軽いタッチで綴じてしまうのです。
しかもフラットクリンチ。(綴じられた針がふくらまず平らに折り曲げられる機構)

当然、いままでのマックス社のフラットクリンチも持っているのですが、もう比較に
ならないほどの改良。そうですね、、、まるで「針が紙によろこんでささってゆく」
と表現したいくらい、それほどの驚きです。

機構部分を開きますと、まず目に飛び込んでくるのが肉厚でグレー色の金属パーツ
基本的な構造体となる部分だと思います。こういった部材の導入によって、確実な動作と
人間の繊細な手に伝わるフィーリングの良さを実現しているのでしょう。

HD-10DFLの開発陣、素晴らしいです! 
私はこれを今後の質実剛健版ステープラーとして常用します。

ちなみに本製品には本体色ダークグレーのほか、ブルーとピンクがあるようですが
ツールライクでしかもMAXのオレンジ色のロゴが映えるダークグレーがやはり好きです。

さて、本日はステープラーをもうひとつ、、
当サイトのコントリビューターであるK氏より、イギリスみやげとしていただきました。

「Staple Wizard」、すごい商品名です。(笑)
いわゆる電動式ステープラー。
おそらく、ふつうの事務用として作られていた製品の
ボディをシースルーの樹脂に換えたものだと思います。

鮮やかなパッケージが買う気にさせちゃいますね。
左上に「REXEL」というロゴがあって、このREXELは
事務用品のACCOというグループの会社らしく、さらに
そのACCOは、さきほどのSwinglineも傘下に入っている
らしいのです。あのSwinglineが間接的ながら、いまや
このステープラーに繋がっていると思うと不思議な気分。

このステープラー、かなり「イロブン」的な製品。
シースルーボディーにモーターやギア、電気回路等が見えるのですが、なかにはいったいなんの
目的で付いているのか解らないセンサー部品なんかもあって、あやしさいっぱいなんです。
メカの機構も「おいおい、それ本当に必要?」っていう動作をするし、なんとも不思議。
さらにきわめつけは、わざわざNo.10よりも1段太い針を使うのに、綴じ枚数が12枚まで
という仕様。お土産としての話題性いっぱいです。(K氏、ありがとう!)