2003年4月26日
■ 考具

「ふふっ」あまりに素晴らしいタイトルなんで、笑顔になってしまいました。

信頼文具舗のお客様からご紹介いただいた本。
考具ってなんだろう?気になって仕方がありません、
ま、とにかく買ってきました。

「考具」加藤昌治 著 (TBSブリタニカ)
ISBN4-484-03205-8

本の説明によると
著者は博報堂コーポレートコミュニケーション局ご勤務
つまりマーケティング関係の最前線でお仕事をされているかた?
いまそこで行われている、そのノウハウが集約されている、
ありがたい一冊。

これは広告会社での仕事を題材に、「アイディア」を「企画」に育てる過程を著者の観点から
親切にひもとく、実践的なお仕事の本だったのです。

本文では、考具その1から21まで分類し、巷の情報を収集する手法〜得られたアイディアを
どのようにしてテーマに則した企画に収れんさせてゆくか、そのプロセスを説いています。
考具とはどこかの便利なモノというよりも、おもに自分自身の脳の中にある
「最適化された思考手法の単位」を指していると言えます。

最初から企画という職種に焦点を置いた本ではありますが、これを読み通すことで
フィールドワークの大切さやヒントを知ることができ、またそれをしっかりとしたアウトプット
にまとめ上げる方法までに応用が可能かと思われます。

文房具に関してはポストイットの活用が中心。
巻末にメモや筆記具、デジカメや携帯に言及した部分も少しあります。

この本の良さは、文面に一貫して、著者のノウハウを伝えたい気持ちにあふれているところ。
もうひとつは、「企画」とは柔軟な思考と精緻な判断から生み出される、しかも創造的な
仕事であることを教えていることです。

じつはいままで私は「企画」で作り上げられたことをあまり信用したくないという先入観で
ものごとを見がちだったのですが、この本を読んでそれが誤解であったと心変わりしました。
素人の私にも影響力が大です。

システマティックに考える事の素晴らしさがちゃんと伝わってきます。
そういえば建築家、安藤忠雄氏もおっしゃってました:「考えることほど楽しいものはない」