2004年4月25日
■ SEYES(フランス罫線)

ここ最近なかなか調子が出なくて、とは先週に書いたとおりでしたが
どうやら風邪の引きはじめだったみたいで、いよいよ週末には熱も出てきて
これはいけないと、いつものお医者さんに行き、そして充分な睡眠を取りました。

調子が良くないときは頭も働かず、脳の創造的な部分?も発揮されないもの。
これをどうにか打破できないかと思い、結局取った手段が
文房具に頼るという方法でした。
アイディアを書く用紙を「SEYES」に切り替えてみたんです。

SEYESはピッチの細かい横罫線とその4倍程度のピッチの縦罫線が組み合わさった罫線フォーマットです。輸入元様ではこれを「フランス罫線」と呼んでおります。なぜならフランスでは一般的な罫線とのことで、フランスの子供さんはこの罫線が入ったノートでお勉強しているそうです。では子供向けなのかと思うとそうでもなさそうです。実際、大人しか使わないようなA4リフィルにもこの罫線がラインナップされていますから。
お子さんに使われるとのことで、「かきかたノート」の性格は強いと思います。
横罫線のピッチ(間隔)が狭いので手書きなのに複数の文字サイズをキレイに
書き分けることができて便利です。

では、SEYESにすると創造的な気持ちになれるのか?
それは私だけのことかもしれません。
純白の用紙と淡い紫色の罫線とのコントラストとか、
細かい罫線が作り上げる緻密な雰囲気とか、それらが良い刺激にはなっております。
筆記具は5ヶ月近く使い込んで調子の出てきたアートペンにブラウンのインク。
やはり私は「文房具に気分を左右される人間」なんです。

■ SEYES(補足)

ラウンジにてN.K.さんより次のようなメッセージをいただきました。

SEYESというのは、フランスのサン・カンタンという町
(どの辺でしょう??)にあった書店の名前だそうです。

20世紀初め頃、その書店は、この罫の考案者として特許を申請して
罫を使用している業者に対して権利侵害の訴訟を起こしたのですが
裁判ではこの印刷罫が既に19世紀末には使われてたこと、また
その”考案者”は初等教育の視学官であることが証明されてしまい
結局敗訴してしまいます。
が、その”本当の考案者”の名前は既に分からず、結局SEYESという
名がこの罫の名称として定着した...ということのようです。
(読み違いがあったらすみません)

N.K.さん、ありがとうございます!

 書籍:自分の仕事をつくる

タイトルだけでも印象的です。

働き方研究家、西村佳哲氏が
工業デザイナー 柳宗理さん、Macintosh DUOのデザイン・エンジニアリング
を担当したIDEOのデニス・ボイル氏、パタゴニア社のオフィスなどを訪ね
インタビュー&現地取材。良い物を作る「人」と「働く環境」について考察する。

〜働き方が違うから結果も違う〜 ・ 〜他人事の仕事と「自分の仕事」〜
フレーズのひとつひとつが説得力を持って語りかけてきます。

最終章では「ワークデザイン」という言葉を紹介し、ハードウェアとしての
オフィス環境と、ソフトウェアたるそこで働く人の意識とが作り上げる新しい
職場についてヒントを与えてくれます。

この本を読んだ人がここから何を得られるか、それは人それぞれにまったく違う
のではないかと考えました。物ではなく人に着目し掘り下げたことにこの本の
魅力があり、読み手によってここに書かれている情報の価値は変幻自在です。
まずはこの一冊を手に取ってみてはいかがでしょう。

自分の仕事をつくる 西村佳哲 (晶文社)

ISBN4-7949-6585-0

西村氏の運営するサイト 「リビング・ワールド