2006年5月31日
(女王様→女神様ではないかとのご指摘あり。たしかにそうでした、、訂正します。)

■ 女神様のポストメモ

昨年の4月にご紹介したフィルムふせん、ポストメモ。sprg読者の皆さんにはご存じ、兵庫の(株)西脇計算センター様の作品です。ここのM先生が今春にポストメモのラインアップを変更&拡充されたのも、皆さんご承知のとおり。

その変更&拡充の内容は、パステル(半透明)とビビット(不透明)の2シリーズへの分化。色変更。サイズは2種から3種へ。パレットも2種類に。しかも公式サイトでは、これらのモデルからユーザーが好きなように選べるという「Mさん、すごすぎ!」という展開になりました。

いままで信頼文具舗では2種類だけの取り扱いだったのが、新ラインアップでは定番セットだけで確か12種類だったかな。でも12種類の各特性を信頼文具舗のお客様に伝える自信がありませんでした。

で、私ずっと考えました。この新ラインアップからポストメモの実力を引き出す方法を、、、。そんな時、お客様からボチボチとメールが。「新ラインアップの数が多すぎて悩んでしまいます。」とか「透明な物が一番使いやすかったのに、透明度が変化してしまった。」みんなも悩んでいるんだなあ。

ポストメモ集合写真
色彩・透明度・サイズ・パレットサイズと幅広い種類から選べるようになった新ポストメモ。選べることは素晴らしいこと。ならば、ステーショナリープログラムとしてはどうする?
そうしたメールが来るのは、以前に旧型が存在していたからこそという要因も勘案すべきです。もし最初から今春のラインアップだったら出なかった声かもしれません。やはり選べるのはシアワセな事であると素直に受けとめています。でも、信頼文具舗としてはユーザーにおける実使用をイメージしながら製品をセレクトする役目があります。なにしろウチの事を信じて買ってくださるお客様がお相手ですから。

ところで信頼文具舗が(以前に)ラミー・サファリ・ツインペンについて、ブラックとグレーしか扱わなかったのは、他のカラーモデルは(サファリ・ツインが活躍するアウトドアつまり外回りでの)仕事で少々乱暴に使うと、艶やかな表面に細かいスリキズが付いてしまう事が分かっていたからです。ブラックとグレーなら最初から表面にシボ加工がされていますからキズは目立ちません、特にブラックは使うごとに味わいが出て何年でも使えます。そうした経験を理由に絞ることをしています。(それがお店の個性につながってゆくのは言うまでもありません。)

閑話休題。じゃポストメモの使用場面はどんなものだろうか。私もポストメモのヘビーユーザーで、何にでもポストメモを引っ張り出してきます。そこでいつも思うのが「どの色を使うか考えるのが面倒くさい」という事実。ひとつの色だけ使うと別の色が余りますし、「バランス良く減らすために」使うためには、むしろ色でのルール決めができなくなってしまう。だったら色はどうでもよい。

つまり、必要ぎりぎりの識別(=そこにポストメモが貼ってあるぞと分かる)機能と、充分な透明度が確保されていれば、色はできるだけ少ないほうが良いと私は考えたのです。ポストメモを貼った段階ですでに注意喚起の意味を持たせられるので、その上さらに色でマークアップの階層を作るのは、「シンプルに」という日頃の思いから外れてしまうと結論づけました。

これって蛍光ペンに例えると分かりやすいでしょうか。教科書の紙面を何色もの蛍光ペンで塗りたくってしまう人、いたでしょう? 私、アレ、だめなクチなんです。イエロー単色、多くてもピンクを加える程度でおなかいっぱいです。ならばポストメモ、どの色に絞ろうか、、?

そこで思い立って、
ラミー関連サイトの草分け「Pencil Case」の柊さん(女神様ね!)に直電話。

わたし:「しかじか・かくかくで、、、色、柊さんだったらどうします?」
女神様:「それはもう、グリーンでしょ。」
    「識別機能と透明度とのバランス、そして目に優しいグリーンですよ。」
わたし:「なるほど! グリーンで行きます!」

信頼文具舗セレクトの最終決定者は私と「女神様」だったんです。
さっそくM先生にご連絡。よろこんでO.K. をくださりました。

こうして生まれたポストメモ「信頼文具舗セレクト」。実物は美しいのに、写真で見ると、あらまあ地味なこと。こんなに写真映えしない製品、オンラインでは売れないかな。でもいいです、信頼文具舗では売れない製品のことを「お上品な製品」と呼んでおります。私はそんな「お上品な製品」こそ扱いたい。
西脇計算センター様が幅広いバリエーションを揃えるのはメーカーとしての大切なお役目です。でも今回は先生のお言葉に甘え、わがままなセットを作っていただきました。ウチはしばらくグリーンで行ってみます。皆さんならどんな組み合わせにします?
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