ステーショナリープログラム 2007年4月11日
■ TOMBOW "MONO one"
MONO の名を冠したスティック型字消しとなると、やはり気になります。
MONO one 俯瞰図
コンビニエンス・ストアに立ち寄ると愚息がコレを発見。欲しいと騒いでいます。MONOのロゴを引き立てる清潔感ある白いパッケージに好感。2個買ってみました。

全長70mmを切るコンパクトサイズなので、スティック字消しと言ってはいけないのかな。パッケージには「ホルダー字消し」と書いてありました。

スティック型字消しならば、sprgの皆さんにはロットリングの「ティッキーイレイサー」がお馴染みの製品。ティッキーには先端部分に消しゴム固定用のチャック(爪)が付いています。もしチャックが無いと消去時に消しゴムの先端が圧迫され、長い消しゴムが全長分に渡って縮んでしまい、フワフワと頼りない感触になります。あまり縮まないようにと硬い消しゴムを使えば消去性能が悪くなる恐れも。チャックはこうした問題を解決するために用いられます。しかし一方でチャックが消しゴムの側面を傷つけ、その傷が広がって折れてしまうこともあります。チャック付きは消しゴムが折れやすいと承知して使っていながらも、いざ折れるとガッカリするものです。(チカラまかせに扱う)お子さんも使うであろうMONO oneは、消しゴムの「折れやすさ」を回避するためにチャック無しの道を選んだのかもしれません。
MONO oneとTikky
写真上:ROTRING Tikky eraser
写真下:TOMBOW MONO one

ティッキーは先端にチャック付き。ボディは典型的なスティック型字消しの長さ。MONO oneはチャック無し。コンパクトなサイズ。

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MONO one 。使ってみました。消しゴムの沈み込みはそれほどひどいものではありませんでした。考えれば消しゴムの全長が短いので縮む幅も小さいわけです。パッケージには「素早く握れるショートボディ」と書かれていますが、チャック無しの仕様と沈み込み度合いとのバランス点でこのサイズに落ち着いたのかなと想像をしてみたり。

消しゴムの削られ具合や消え具合は快適な範囲です。思わず笑顔になる感じ。つかむ部分は逆テーパー形状。ソフトなタッチの素材とあいまって手指が滑るのを防いでいます。本来ソフト素材否定派の私ながら、この柔らかな感触はちょうど消しゴムを直接つかんでいるかのように思わせ、スティック型なのに普通の消しゴム感覚で使える「一体感」を生んでいます。シースルーのボディ越しに見える内部機構や部品は精度高く作られている様子。回転動作における適度に重い操作感覚も、製品のしっかり感につながっています。能書きを読むと、消しゴムの先端部を支える樹脂は適度に変形して「折れ」を防いでいるらしい。細やか。

個人的な感想として、ウィークポイントはカタチでしょうか。(ティッキーが必ずしも良いカタチとは言いませんが)8年以上前に登場した製品と並べてカッコ良さのアドバンテージはあまり感じられないかな。

しかし、文房具以外も含め、見た目ばかり良くて使うとガッカリする製品がよくある昨今を思えば、MONOの血統を明確にする本体・つかみやすいグリップ・消したい場所が良く見通せる先端部と、要求されるスペックをきっちり具現化し分かりやすく「積み上げた」現在のカタチのほうが、MONO oneが背負った使命(誰にでも使いやすい・売れる)を果たせるのかもしれません。

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