ステーショナリープログラム 2008年4月23日
■ 書籍「Macintosh名機図鑑」
テクノロジージャーナリスト。いや、私にはやっぱり、
「Macintoshエバンジェリスト」の名がしっくりと来る
大谷和利(おおたに かずとし)さんの最新刊です。
「Macintosh名機図鑑」
大谷和利 著

株式会社えい出版社
¥1,200.+税 ISBN978-4-7779-0992-6

1984年の初代Macintoshから、いま話題のMacBook Airまで、アップル・マッキントッシュの主だった製品47機種について、登場年・スペックやデザインについての解説・エピソード等を掲載。製品写真が大きいため、一見するとサラリと出来たカタログ本のようですが、そこはさすが大谷さんのご著書。これまで「Macintoshエバンジェリスト」として歩まれ、各モデルを見つめてこられた大谷さんだからこその、詳細な情報と製品への熱い思いが、限られた文字スペースにギュッと集約され、読みごたえのある内容になっています。ファンな心を持ちつつも偏りを抑えたMacintoshへの冷静な評価は、本書の信頼度を高めていると思います。
白黒モニタの小さなMacintoshが、外付けハードディスクとセットで80万円超のプライスを付けて大学近くのショップに売られていたのを、ショーケース越しにあこがれて見ていた学生時代。デザイン事務所でII-fxを借りて、その速度と、カラーCRT&ポストスクリプトプリンタにコーフンしたバブリーな頃。頭金無しの貧乏ローンを敢行し、友人とLCを2セット購入。T-ZONE前にクルマを横付けしてトランクに積み込んだ時の感激。いろいろなクダラナイ、でも懐かしい思い出が、この本を読み進むにしたがっていちいちよみがえってきます。

自分が買えなかった機種についても、「これを最初に見たのはあのショップだった」など、けっこう鮮明に覚えているものです。それだけMacintoshは、期待され、驚きと感激を与えてくれたコンピューターだったことを、本書によって改めて実感することとなりました。

この本の中では、一連のMacintosh製品のデザインが話題の基軸になっています。サーキットボードとハードディスク、キーボードと、構成される部品はほとんど変わらないのに、毎回大小のイノベーションを起こし、この世界をリードし続けるAPPLEのパワーはやはりすごい。

ところで、各モデルの解説では冷静さを保っている大谷さんですが、最後の最後、「あとがき」の項ではファンのココロをストレートに表現されています。この先当分Macintoshは続くだろうと安心して、すっかりヒツジのようになってしまったマック愛好者たちを(アップル・ジャパンの人達をも?!)、再び「闘う」気持ちにさせる(笑)、そんな一文でありました。

・記事分類は「P−2」です。