2006年06月28日 その1〜3作成
2006年10月06日 その4〜5追加
「パーソナルファイリング(本編)」

■ その1:私のPF構成

パーソナルファイリング(以降:PF)の本編です。
まずは最近の私のPF構成を示してみました。
パーソナルファイリング構成図
私のパーソナルファイリングの構成を、お馴染みの「用品つながり」で描いてみました。(まだ表現方法が確立できておらず、見づらくてすみません。)もしかしたら、今後この図はもっと手直しをするかもしれません。

大きな流れとして、左手がフロントエンド(外部との接点)。右手が保存側になります。

■ その2:捨てないファイリング
もともと私のPFは「捨てないファイリング」にありました。
本来、要らない文書は常に廃棄することがファイリング上の「美徳」かも
しれないのですが、自分はとにかくすぐには捨てられない。
当時の仕事の性格上、そうしなければならなかった事もありましたが。
自分の「捨てないファイリング」にもっともふさわしかったのは、左図のブルーの部分でした。約15年前、マルチパートファイルもエルゴグリップも知らない時期でしたから、ずっと長いあいだ、このブルーのパターンでやってきました。

とにかく便利だったのは図のリヒトの「クリアフォルダ」。これをひたすら大量に使いました。ちょっと文書が発生すると、クリアフォルダにはさみ、それを引き出しの中へ。またはファイルボックスへ。さらに段ボールに移すこともあります。

クリアフォルダはPFにとって大きなメリットがあります。
それは収容される用紙のサイズを気にしなくて良い事です。
PFでやりとりされる書類は意外と小さい紙片や小冊子が多いものです。
たとえば取り扱い説明書や保証書、領収書やレシート、写真。
中にはCD/DVDや薄い箱に入ったものもあります。
厚みの有るものを収容すると外観は不格好になるものの、
収容できる・整然と保存できるメリットは大きいものでした。

ですから、クリアフォルダが有れば充分。
実用上、他に余計な物をそろえる必要は無いよ!と言いたいぐらいです。

■ その3:A4+穴あけファイリング
その後、営業の仕事(=対外折衝のある仕事)が出てきますと
A4サイズの資料が大量に発生しました。
しかもその一部を持ち歩かなければならない。
ちょうどその時出会ったのがエルゴグリップバインダー。
パンチで穴を空けてエルゴグリップに綴じる。(当時は2穴)
エルゴグリップは書類の出し入れが簡単で、
しかも丈夫な樹脂製なので、外回りの営業にはふさわしいものでした。
現在のPF構成図を使って「A4+穴空け」ファイリングのエリアをマークアップしてみました。外に持ち出せるバインダー「エルゴグリップバインダー」の導入によって「A4+穴開け」が仕事の最前線で活躍しました。保存が決定した資料は右端の箱ファイルへと収容されてゆきます。

図でおわかりのとおり、現在は綴じの安定度が高い「A4+4穴」に一部移行しています。フロントエンドで4穴を採用しても、保存側の2穴箱ファイルとの互換性を保つことができます。

エルゴグリップバインダーには少しデメリットがあります。
仕事での使用とは言え、持ち運びには大きさが多少かさばることです。
ですので、社内(デスク〜会議室〜実験室)の移動、あるいは
営業でもクルマでの持ち運びにふさわしく、
徒歩+電車の出張では持ち運びは大変かと思われます。
■ その4:穴をあけないファイリング(マルチパートファイル)
2003年ごろ、興味深いファイリング用品を手にしました。
最初に使ったのはライツの製品でした。
厚紙を数枚、背中で綴じただけの物です。
日本ではマルチパートファイルやパートファイルと呼ばれています。

このファイル、厚紙の各ページを「仕切り」(パーティション)に見立て
仕切り毎にバラの書類/用紙を挟み込むだけの製品。
もちろんパンチで穴あけする必要はありません。放り込むだけ。

「穴をあけないファイリング」のエリアをグリーンでマークアップしてみました。基本的には、冒頭の「捨てないファイリング」の発展形に相当します。「捨てない〜」と何が違うかと言いますと、まず第一に「マルチパートファイル」が加わったところです。
写真右はエグザコンタの
「マルチパートファイル
最初は役に立つのか疑問だったのが、今では手放せないツールに。

基本的な使いかた。
まずパーティションひとつ毎にテーマを決めます。
パーティションの数で7パートや12パートと種類があるのは、
「7パート→一週間」・「12パート→一年」等の分類を想定しているからです。

私の場合は、端から「処理完了」・「 ToDo」・「アイディア」・「取材」・「執筆」
・「分類外」などと続き、最後の「未処理」まで、テーマを決めています。
そう、未処理がインプット側、処理完了がアウトプット側になります。

身の回りに発生した書類はいったん、マルチパートファイルに入れます。
ファイル内に合致するテーマがあれば、そこに収容します。
手で抱えられる(目が届く)程度の物量の書類は
だいたい一週間から二週間のうちにファイル内で簡単に「料理」できます。
その期間があれば不要となる書類/保存したい書類の見当がつき、
不要なものはシュレッダーへ、保存したいものは中〜長期ファイルへ。
つまりマルチパートファイルが、ファイリングの良きバッファ(緩衝部)
として機能します。パンチ穴を空ける必要も無く、in/outの動作も迅速です。

本来「捨てられないファイリング」だったPF構成が、この一冊で

・要らない書類を捨てられるファイリング
・書類受け取り段階での即時分類

ふたつの効果を獲得してしまいました。

■ その5:穴をあけないファイリング(ハンギングフォルダ)
PF構成、グリーンのマークアップの中にある、もうひとつのツールが
ハンギングフォルダ(ここではライツの「Xフレーム」)です。

ハンギングフォルダは、自分はなぜか小学生の頃に使っていました。
仕事をしていたわけではありませんから、お遊び程度でしたが。

ハンギングフォルダによるファイリングは企業用途において手法が
確立しております。(企業・役所・病院・団体など)そこでは
大きなサイズのハンギングフォルダ用キャビネットが導入され、
書類のactiveなところ(日々のもの)からinactiveなところ
(数年単位)までを広くカバーしているようです。日本ではあまり
馴染みのないファイリングですが、海外ではこれを採用している
ところは少なくないと想像されます。(縮小傾向にはあるはず。)

ハンギングフォルダの世界では企業向けの中型〜大型キャビネットが多いなか、ライツのハンギングフォルダ「Xフレーム」はスモールオフィスやプライベートユースも想定した用品です。(写真をクリックすると信頼文具舗にリンクします)
企業向けではファイリングのactive←→inactiveまで広い
領域をハンギングフォルダでカバーしてしまうところを、その
ルールを無視し、「いいトコどり」で活用してしまおうという
のが私のPFの考えです。

具体的にはマルチパートファイルのバックアップ用に配置します。
マルチパートファイルの背後、ファイルボックス手前の位置です。
ここに配置すると、マルチパートファイルで担えない物量の書類を
閲覧性を損ねることなしに一時貯留できます。

本当ならば長期保存たるファイルボックスの部分も全て
ハンギングフォルダに置き換えたいところですが、スペース的に
それは困難です。マルチパートファイル〜ハンギングフォルダ〜
ファイルボックスの3段構成で、可搬性/閲覧性/保存性を上手く
コントロールしている点が現在のPF構成の特徴です。

なお、この3つの間の「書類の乗り換え」を簡単にさせているのは
ほかでもない、冒頭にご紹介した「クリアフォルダ」です。シンプル
で低コストで使い勝手の良いクリアフォルダ。 かれこれ20年以上、
私が変わらず愛用しているこのフォルダが、いくつかのツールを
従えてさらに活用度を高めているところがうれしくあり、不思議でも
あるところです。

記事分類は「P−1」です。