コラム「前向き↑文房具」
第1回:「ラッキーな組み合わせ」
文房具と電子ツールとの組み合わせが良い。
ひいては仕事がはかどる。
これほど「ラッキー」なことはありません。
でも、そういうのって狙ってもなかなかできなくて。
いま思い出せる最初のラッキーは20年ほど前のことでした。
米国製のリングノートと、同じく
米国HP社の携帯パソコン「HP100LX」との組み合わせ。
このころの自分は会社員で、
本社~出張先間を頻繁に往復するパターン。
出張先でも移動中でも、ひらめきからじっくりと検討した
事柄まで、いつでもなんでも記録に残す必要がありました。
(当時と同じ製品で再現。)
じつはこのリングノート、ボソボソした再生紙を使った用紙で
書きやすいものではありませんでした。
表向きの評価なら、どの筆記具でも書き味・描線ともに落第点。
けれどもこの紙に、ある芯径と硬度のシャープペンシルで書くと
荒めの書き味が手指にほどよい刺激を与えて気持ち良い。
仕様検討から会議の記録まで、なぜか業務がはかどりました。
HP100LXは、
最近の機種とは較べようもないささやかな処理能力ですが
テキストエディタ、スケジューラ、電子メールとひととおりの
機能を備え、移動先での用事をこなすことは可能でした。
両者の共通項はゴロッと朴訥(ぼくとつ)な感じ。
ノートは金属むき出しの綴じリングや、厚手の表紙&裏表紙。
HP100LXは重めのキーのクリック感や、丈夫そうなボディ。
そしてふたつを並べた時の、あるいは重ねて抱えた時の
見かけも収まりも感触も、とても良いものでした。
おわかりいたでけるでしょうか。
使う物の機能的なメリットはもちろん重要ですが、
見た目の格好良さから導き出される、
「これらを使って仕事ができることのうれしさ」
までもセットで享受できることが、
私のお伝えしたい「ラッキー」なのです。
現在。
綴じノート+革のノートカバー、そしてMacBookAirの組み合わせ。
(Airと「ごらんFW」。筆記具は万年筆風補助軸「ミミック」)
昔はデジタル的にトガッた事をやろうとすると
レアな機材やワザが必要が生じたり、しかしながら
費用対効果はそれほどでもなかったりしたものです。
今では誰でも買える機種があり、しかも比較的手ごろな
金額で充分な機能を得られることができます。
一度は出張先での業務をすべてiPadに任せてしまう事にも
トライしましたが、結局移動先でもAirが必要という結論に。
メールの作業効率においてiPadはAirにはかないません。
またAirがあれば殆どの作業をこなすことができます。
しかしラフ描きと中長期的な見通し&ふりかえりには
やっぱり紙が手放せなくて、ノートを一冊手にしていたい。
その領域をA5サイズのノートと革のカバー:
「ごらんFW」に任せています。
「ごらんFW」は静的(=ひとつのノートだけを対象)な
カバーだけではなく、その日の用事にあわせていろいろな
ノートや書籍など積極的に入れ替えて使うこともできます。
「ごらんFW」の考案者にたずねたところ、これは
「フランスの街角でガイドブックを気がねなく読めること」
を目的に作られたカバーとのこと。旅行者と悟れられないよう
この大きなカバーで隠してしまうのでしょう。
旅行が終われば、ここにいつものノートが収まるそうです。
カバーの留め具を兼ねたペンホルダーや、円弧と円窓が
組み合わさった象徴的な形が「マイ・ノート」を品良く
表現しています。
機能的な要求はMacBookに任せ、モノを所有する満足感は
「ごらんFW」にて実現させるという組み合わせ。
AirとノートとごらんFW。
前回よりもサイズは大きくなりましたが
しっかり仕事が出来る大きなラッキーに。
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